春先や冬前など
すこし肌寒い時に重宝するのが
薄手のニット。

でも、何度か着ているうちに
袖口や首元や裾の辺りがダランと
伸びてしまってだらしない感じに…。

と、そんな時に
お家でもある程度の修正が可能な方法を
お伝えしたいと思います(^^)

ニット姫のお墨付きです(笑)

 

※2024/01/06追記
すべての製品を完璧に戻す方法ではありません

当記事では「ニット」という製品の特長と、
お客様のお洋服を修正した実績があることから
一つの方法としてご紹介するものです。

品質表示にウール100%とありましても
全てが同じ素材や性質ではありませんし、
糸の太さや撚りの強さなどの細かい点が違い
それによって作業効果も変わってきます。

特に、糸自体が弱くて緩んでしまうとか
編みが甘く伸縮のテンションが低い、
また「ダスリー糸」が入っていないなど
もともと型崩れしやすい製品
この方法では効果が薄く、
一旦の見た目は復活しますが
何度かの着用でまた元に戻ります。

 

これらを一目で判断するのは難しいので
手間なく満足のいく形で直したい場合は
迷わずお近くのプロにご相談ください♪

以上をご理解いただいた上でご覧くださいませ😊

 

 

では実際にやってみましょう!

 

まず、綿ニットのカーディガンのお袖です。
着た感じ、この様にダラ~ン・・・と

 

 

はい、ちょっとだらしないですね(^^;
では、アイロン台とスチームアイロンを
用意しましょう。

他に必要なのは、お水と電気だけです♪

変化が分かり易いように
処理する前の長さを見ておきます。

 

 

大体12cmくらいありますね。

 

いざ、作業開始

では始めます。

修正したい部分にスチームを当ててください。
濡れない程度にタップリと当ててOK。

 

 

置いた裏側にもまんべんなく当てます。
十分に蒸気がなじんだら、
次は軽くモミモミしてあげます。

編地を解すイメージで。

 

 

その後はまたアイロン台に置き直し、
クシャっとなった部分を少しなじませる程度
スチームで湿った部分を軽く乾かす程度に
押さえつけず軽くアイロンを当ててください。
(浮かしアイロン)←ここ重要です

 

 

 

すると、このくらい修正することが出来ました。

 

 

下の画像はスチーム&モミモミ処理前です。

 

 

 

袖を通してみると
ちゃんとした形になりましたね☆彡

まずは、ビフォ~

 

そしてアフター!

 

 

 

今回の作業の様に、

①蒸気を当て糸を柔らかくする

②揉んで編みの組織をほぐす

③形を整える

という3つの工程である程度は整います。

※もともと編地が緩みやすい製品は
 この方法では上手く収まりません。
またすぐに型崩れを起こします。

 

以前にこんな記事をご紹介させて頂きましたが

夏の部分伸びしてしまったニット、どうしよう…

理屈は同じなんです(^^)

 

 

 

ニットが伸びた=「型崩れ」

 

ニット(編物)は伸縮性のない糸(繊維)を
輪っかを繋ぐような組織で組み上げることで
伸縮するようになっています。

ですので、長時間の使用や
部分的に引っ張り過ぎた場合、
また洗濯機で回してしまったら伸びた
という場合は

部分的に目が偏ることにより
編み組織が崩れてしまった状態
なんですね。
(正確には糸自体が伸びたり縮んだりしたのではない)

 

それを蒸気を使って緩め、整えてあげる。
そんなイメージです。

 

 

今回の方法は
部分的な修正に適したやり方です。

「ニット全体が伸びてしまった」

という場合は、お洋服そのものを
お湯につけたり、リンス(トリートメント)
を使用したりするなど
もう少し作業が異なってきます。

「え?リンス?」とお思いですか?
ゴワついた髪の毛も、リンスで
サラサラになると櫛も通りやすく
整え易いですよね(^^)

※獣毛系に効果的

 

 

 

縮んだ場合も理屈は同じ

 

伸びるのとは逆に
縮んでしまった場合も
理屈は同じです。

ただし、形を整えながら
慎重にやらないと変な戻り方を
してしまいますので要注意です(^^;

 

また、カシミヤやウールなどのアイテムを
タンブラー乾燥(グルグル回しながら乾燥)
させると、フェルトの様な状態に縮みます。

それはもう二度と直りませんので
ご注意ください!

 

 

参考までに…

間違えて洗濯物に紛れてしまった
紳士物のニットタイ。
素材は綿100%です。

補強のテープ部分が分かり易いですね。
縮んでシワが寄っています。

 

 

「あっちゃ~・・・。」です(ToT)
では、先ほどと同じように
スチームを当てましょう。
そして、今度は逆に
伸ばしながら整えて行きます。

 

 

 

よく、「縮んでも引っ張ったら戻る」
なんて話を聞きますが

ニットはいくら引っ張っても
絶対に戻りません

むしろ、さらなる型崩れの原因に…。
適切な方法で修正してあげてくださいね。

 

最終的に、ほぼ元通りに伸びました。

 

 

いかがでしたでしょうか?

毎度のことながら、
そんな作業は難しいと思った時や
ちゃんとキレイ直したいと思った時は
迷わずお直しやニットのプロにご相談ください。

その為にプロのお仕事がありますので☆彡

 

それでは、今回はこの辺で(^^)

 

 

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