姫路の婦人服専門店UMEYA、歩く灯台のウメセンこと専務の梅田です。

洋服屋なのに着る服に困り果てている、大きいサイズなアラフォー男です。

 

先日、とある別サイトで記事を書きましたら、何件かのコメントを頂きました。

同じように感じる方が入らっしゃるんだなと思い、

コチラにも転載してみようと思います。

 

…はい。手抜き更新とか言わないでください(笑)

 

ーーーーーー  以下  ーーーーーー

 

まず、これを読んで気を悪くされる方がいらっしゃいましたらゴメンナサイ…。
先にお伝えしておきます(^^;
今回のお話は、ある変わった小売店が考える「良い物」についてです。

一部のメーカー様との商談でよくある感じの会話が次の通り。

【Aという商材について】
・後が長くなってますから、お尻が隠せます。
・タックが取ってあるので、着ると変化が出ます。
・このリボンは取り外しができます。

商品紹介はこれで終わりです。それは文字通り『見て分かります』。
では、他所で1,900円で売られているものと何が違うのでしょうか?
…まず説明できません(^^;

そこで話に行き詰まると、次に出てくるのが「日本製」or「生地が良い、縫製が良い」…。
けれども、今時のお客様にはそんな事は関係ない。

最後には、「じゃぁどうすれば良いんですか!?」

と、半ば逆切れ気味に仰る方が沢山いらっしゃいます。
そりゃそうです。変な事ばっかり言ってゴメンなさいね(笑

 

 

…でも、どうでしょう。
お洋服を買うお客様から想像してみませんか?

例えば先述の【Aという商材について】…

・後ろ丈だけが長くなっているのは、ワイドパンツが穿きたいけど
お尻が気になって踏み切れないという方に向けて。
ただ後が長いだけでは野暮ったいのでドレープ感を重視。
それには少し高目なこの質感の生地でないと難しい。
おかげで、360°キレイに見えます。

・背中にタックを付けたのは、肩幅を狭くした分の
着心地の悪さを相殺するためと、背中の丸みを打ち消して
キレイに魅せるため。

・リボンは縫い付けにした方が簡単だけど、仕事など
”かしこまって使う”場合には邪魔になるので、外せるように。

 

…など、着る人を起点にした具体的な理由を元に作られた事が共有出来れば、
それこそ類似する商品との違いをお客様にキチンと説明する事が出来ますし、
近い考え(悩み)のお客様に心からお勧めしたいという気持ちが湧いてきます。
だから仕入れたくなります。

 

 

「良い物」とうたうには、パッと見てわかる程度の情報では不十分です。
何故そうなのかという「理由、裏付け、想い」=ストーリー。
そのストーリーがお客様の想いと繋がる事が重要です。

【お客様】【お店】【作り手】

深く繋がっていて当然ですよね。でも、そうじゃない事が多い。
作り手と売り手の圧倒的なコミュニケーション不足。
それが今私共の居る業界(分野)の唯一にして最大の問題だと感じています。

幸せな事に、ここを大切に考えて下さる取引様がまだ手を繋いでくださっています。
それをやろうよ、やってみようよという仲間も居てくれます(^^

「良い物」の為にストーリーを追い続ける事は、ハッキリ言って、
大変ですし、面倒くさいですし、非効率です(笑)

でも、それが出来ない、したくないのであれば、
皆で同じような物を価格競争しながら大量に流し合うしかないですね。

 

どう考えても、私には2つの道しか見えません。

 

皆さんはどちらに向かわれますか?(^^

 

 

ーーーーーー  以上  ------

 

キレイごとかもしれません。

けれど、想いを捨ててまでこの仕事をする価値があるとは思えません。

何もかも効率重視、その場限り、使い捨て…。

僕には理解のできない価値観です(^^;

いかがでしょうか。